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商店建築 SHOTENKENCHIKU

WORLD RESORT STYLE

VOL. 05 Island of CAPRI 2 (イタリア)

 世界的にも第一級の観光地であるイタリア・カプリ島 は観光客には事欠かない。集客力があるということは集 金力もあるということであり、観光業として積極的にカ プリらしい世界をつくり込めるという好循環を生み出す。

 カプリに限らないが世界的な観光地は、食事にしても 宿泊にしてもクオリティーの高いホテルやショップが集まる。 それは、競争が厳しく、価値が上がり経費も高くなるため、 長く残るのは簡単ではないということでもある。

 カプリの商業施設が面白いのは、発想の自由度の高さ だろう。高級店だから高い家具や内装を使用するという 観念が希薄である。また、高額なものが使われていても、 あえて強調していない。それが品格を下げることにつな がるという意識が伝わってくる。それと相反するようだが、 南イタリア・カプリ周辺への郷土愛は熱烈なものがあり、 建材からアートや食材に至るまで地元のものばかり使わ れている。この二つが合わさって生み出される表現が、 カプリという個性をつくり出しているように感じられた。

古代ギリシャ・ローマを楽しむホテル

1 Hotel Bussola

DATA

所在地:Traversa La Vigna 14, Anacapri, Italy

http://www.bussolahermes.com

Hotel Bussola(ホテル ブッソーラ)はアナカプリの中心地から西へ1㎞程行った南イタリアの田舎の風情がある住宅地に立つ。その敷地にそびえる古代ギリ シャやローマを連想させる彫刻像や柱が特徴である。

客室にはナポリ湾が見えるバルコニーがあり、部屋同士を隔てる壁には女神像が立っている。廊下には古代の柱をモチーフにした装飾が施され、ポンペイを意 識したモザイクタイルの絵柄が飾られている。テラスはギリシャ12神の像に囲まれ、裏手にはドーリア式の柱を並べた小道がつくられている。ナポリは、紀元前6 世紀にギリシャ人がアテネから移り住んだことで始まった都市で、ギリシャ文明と深い縁がある。それにしてもコテコテの古代地中海文明へのオマージュだが、外 国人である私から見れば、それが非常に心地良い。日本に来る外国人観光客がいまだにフジヤマ、ゲイシャを喜ぶのと同様に、南イタリアを旅する者にとってはそ れがフェイクだろうが、わざわざやってきた地中海での心地良い古代の疑似体験であり、楽しいということは否めない。

世界の家具を「折衷」したホテル&レストラン

2 Capri Tiberio Hotel

DATA

Via Croce 11 - 15, Capri, Italy

http://www.capritiberiopalace.it

  治後期、カプリ島にいながら古代ロー マ帝国を運営した、第2代皇帝のティ ベリウスから名前を引いているホテルではあるが、 古代ローマを意識している部分はあまりない。

 コンセプトは、50年代のイタリアを代表する フェデリコ・フェリーニの映画、「甘い生活」で 表現されたイタリア的バブル感。映画もそうだが、 アジアを始め、世界から集めた家具を「折衷」さ せながら、一つのデザインとしてまとめている のが非常に興味深い。

 レセプションのイスはカラフルなストライプ 柄で、デザインオフィスのような雰囲気を持ち ながら、両サイドにはアジアの家具を配置して いる。レセプションの左の部屋にあるジャッキー ズバーは30 ’sニューヨークのコットンクラブ、 それに50’sキューバをモチーフにしている。

 レストラン「Terazza Tiberio(テラッザ ティ ベリオ)」も壁一面を皿で飾り、両サイドに東洋 の壺と缶詰アートが合わさった、現代アート的 に演出している。斬新だが、違和感なく現代の イタリア的にまとまっている。

 加えてアンディ・ウォーホルを想起させる、 缶詰のアートが壁を飾る。発想の自由度は高 く、ターコイズブルーとストライプを軸にしつつ、 ホテル全体を現代アートで飾り、先入観を簡単 に覆す自由なコラボレーションが楽しめる。

リラックス感が心地良い、ミシュラン二つ星レストラン

3 Ristorante Gourmet L’Olivo

DATA

Via Capodimonte 14, Anacapri, Italy

http://www.capripalace.com/en/restaurants/restaurant-olivo.html

Ristorante Gourmet L'Olivo(リストラン テ グルメ オリーブ)」はカプリで最高 級のホテル「Capri Palace Hotel(カプリ パレス ホテル)」にあり、島では唯一のミシュラン二つ 星を取得している。ホテルは5スターに加えて +Lというランク付けがされている。Lはラグジュ アリーの意味とレセプションで聞いた。レスト ランは、太陽光を和らげるキャンバス地の屋根 を持つ半屋外のテラス席と、ドーリア式デザイ ンの太い柱を配した室内の席に分かれる。

 室内はアーチを持たせることによってスペー スを分けつつ、書棚があることで隠れ家のよう な雰囲気をつくっている。加えて灯台のライト を思わせる巨大な照明が柔らかく光を落とす。 そして席の間にはポジターノの現代アーティス ト、paolo sandulliによる魚に乗った裸婦や海中 で抱き合う男女などテラコッタの作品が置かれ ている。良い観光地には明るいインパクトのあ るアーティストが必要であると感じた。

 全体的にクリーム色から茶色のトーンでまと められ、落ち着いてリラックスできる雰囲気だ。 派手さはないが、メリハリのある空間が構成さ れている。また、テーブルの間が広く取られ緊 張感を取り除く。それぞれのファニチャーはか なりの高級感があるが、それが宿泊客を圧倒す るような雰囲気はない。ラグジュアリーという 特別なランク付けに納得する。

観光業者も一目置く、シーサイドレストラン

4 Restaurant & Beach Culb Il Riccio

DATA

Via Gradola, 4, Anacapri, Italy

http://www.capripalace.com/en/beach-club-il-riccio

  プリのホテルオーナー達が特別な場所 と話すのは、レストラン「Il Riccio(イル リッチョ)」。街から離れた、青の洞窟のバス停 から歩いて2分程の場所に店を構える。レスト ランだけでなく、屋上はデッキチェアとカバー ナのあるビーチクラブになっていて、食事を挟 んで一日中過ごすことができる。ミシュラン一 つ星のレストランだが、テーブルやイスに高価 なブランド品が使われているようには見えず、 学校のイスを思わせるシンプルさである。それ を綺麗にターコイズブルーでそろえて、白いク ロスをあしらうことで、プライスレスな魅力を引 き出してしまうのがイタリアの魔術である。客 席から見える厨房の壁は、近郊のタイルの街、 ヴィエトリ・スル・マーレのものだという。

 料理はシーフードがメインで、日本でいうタタ キをイタリア風にアレンジしたものも見受けられる。 実は魚のカルパッチョは日本人シェフ落合努氏 の考案したもので、魚の生食を世界に広げたきっ かけの一つだそう。昨今はイタリアで更にアレン ジされ、生魚の料理手法も日本を越えた感がある。

 レストランの売りの一つは、デザートビュッ フェ。キッチンと同じ壁と飾り棚の部屋は、海 に絡んだアートのショールームという様相だが、 テーブルに並ぶドルチェを見ると、ナポリ地区 で1番のデザートが味わえる場所という評判も 信じられる。料理もさることながら、この空間を デザートの部屋にするというセンスに脱帽した。

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